第一子出産時、職場に初めて妊娠を報告した時、周囲の方が「おめでとう」の次に言ってくれた言葉があります。
「以前勤めていた会社の同僚が、つわりが悪化して亡くなったんだです。だから大丈夫なんて思わず、つらい時は休んで下さいね。」
当時の私は「つわりで亡くなるの?そんなに大変なの?」と他人事でした。
そしてその後すぐ、つわりの洗礼を受けて寝たきりになるのですが、それはまた別のお話…。
この記事では、現在つわりで気持ち悪いと苦しんでいるママのためにつわりの原因や対処法をお伝えします。
また、パパができることも解説するので、ぜひパートナーにも教えてあげてください。
つわりとは?
つわりとは、妊娠中に見られる吐き気や嘔吐、食欲不振といった消化器官に関係する異常のことです。
妊娠したことで起こる生理的な変化であり、人の力でコントロールできることでありません。
つわりの症状が全く現れない方もおり、全員に必ず現れる症状ではありません。
つわりの症状も人によって異なります。
何も食べられなくなる方もいれば、何か口に入れていないと気分が悪くなるという方もいます。
つわりの有無と胎児の状態は無関係なので「つわりが酷いという事は、赤ちゃんに何か異常が?」と言った事は心配する必要はありません。
つわりになる原因は?
つわりの原因は、妊娠したことによるホルモンバランスの変化と言われています。ホルモンバランスが変化し、その変化に母体が適応できず引き起こされます。
妊娠によって出るホルモンが、脳の嘔吐中枢を刺激することでつわりになると考えられています。
前述した通り、人の力でコントロールできるものではありませんし、脳内の伝達物質が関与しているので「つわりではなく、気のせい」という事もありません。
妊娠中に「何だか気持ちが悪いな」と感じたら「ホルモンの変化に身体がついていけないんだ!体が休みなさいって言ってるんだな。」と思って休みましょう。
つわりはいつからいつまである?
つわりの多くは5週目ごろから始まります。12~16週頃を目安に自然となくなりますが、個人差が大きいのでいつなくなるかは人によって異なります。
考えたくありませんが、一度つわりが消失しても、妊娠後期に再発することもあります。これを後期悪阻と呼びます。
つわりで亡くなる事もある!
冒頭でお話した通り、つわりによって亡くなってしまうことがあります。
「つわりなんて気のせい」
「つわりで亡くなった人なんていない」
こうした「単なるイメージ」でつわりを甘くみないようにしましょう。
妊娠中のつわりで、ビタミンB1が欠乏するとウエルニッケ脳症といった合併症が出現することがあります。回復しても、後遺症が残る可能性もあるので、絶対に無理をしないようにしましょう。
「水も飲めない」「体重が急激に減った」「全然トイレに行ってない」こうした症状が当てはまるなら、たかがつわり…などと甘く見ず医師に相談してください。
つわりで気持ち悪い時の対処法
吐き気や嘔吐がある場合
ビタミンB6は、ホルモンのバランスを整える働きをし、吐き気対策に効果があると言われています。
ビタミンB6が多く含まれている食材には以下のようなものがあります。
- 赤みの肉
- 鶏肉
- 牛レバー
- カツオ
- マグロ
- バナナ
もし食べられそうなものがあったら、積極的に摂取してみてください。
他にも、ショウガが吐き気に効果があると言われています。
ジンジャーティーにしてみたり、普段の食事にショウガを加えてみたりしても良いでしょう。
固形物は口に入れられないという方は、みそ汁、経口補水液、氷がおすすめです。
お母さんの元気が一番ですから、栄養は二の次にして口に入れられるものを優先して食べてください。
どうしても吐いてしまうという方は、ウドンや素麺などを食べることをおすすめします。これらは消化が早く、万が一嘔吐しても楽に吐けるはず。反対に、ご飯系は吐く時につらいので気を付けてください。
においが気になる時
ごはんを炊いたにおいがダメになったという方が多く見られます。そんな時は、ウドンやパスタ、パンなどメニューを変更してみてください。
栄養が…といった事は、つわりで気持ち悪い時に気にしてはいけません。まずは、自分が食べられるもの、気持ち悪くならないことを最優先させてください。
食べづわりの場合
全く食べられないつわりと比較するとマシなのが、食べづわりですが、体重制限という大きな壁があるのもまた事実です。
小魚や昆布などずっと噛んでいられるものがおすすめです。
また、飴は外出中でも食べやすいので携帯しておくと良いでしょう。
食べ物の好みが変わった時
ファーストフード店のポテトが急に食べたくなった。つわりの時、多くの妊婦さんが経験するのではないでしょうか。
食べ物の好みが変わって、それまでは口にしていなかったものを急に食べたくなる現象もつわりに多く見られます。
体重に問題がなければ、ジャンキーなものを食べても大丈夫。その分、サプリなどで栄養を補助してあげると安心です。
ちなみに、私は「あんこ」が異常に食べたくなり、スーパーであんこを買ってきてパンに塗って食べていました。それまであんこは嫌いだったのに、本当につわりは謎です。
つわりでママがダウン中、パパができること
自分で家のことができるようになろう
自分でできることを奥さんに任せていませんか?
赤ちゃんが産まれたら、お母さんは自分と赤ちゃんのことで手一杯になります。
それに備えて、家の事は自分でできるようになっておきましょう。ご飯を作る、部屋を掃除する、洗濯をするなど、率先して家事を引き受けてみて。もし、仕事を忙しく家事が難しいなら、家事代行サービスを頼みましょう。
相手をいたわろう
「大丈夫?」「今は休んでいて」など、気遣いの言葉をかけてあげてください。思っているだけでは、奥さんには伝わりません。しっかりと言葉にしてあげてください。
ちなみに、つわりなどで奥さんが苦しい思いをしている時に「俺のご飯は?」「つわりなんて、気持ちの問題だろ」などと言うと、一生奥さんの頭に記録されるので絶対に言ってはいけません。
前にも書きましたが、つわりが悪化すると母体に危険が及ぶことがあるのです。
一声かけることが大切
たまの休みの日に、出かけたい遊びに行きたいという気持ちは誰にでもあるはず。
そんな時は「週末出かけてもいい?出かける時、何かしておいてほしいことある?」と奥さんに一声かけてあげてください。
これが「週末出かけるから、よろしく」だと一転、怒りをかうでしょう。
「だけど、俺が家にいてもできることないし…」と思っていませんか?
自分の具合が悪い時、何もしてくれなくても、信頼できる相手がそばにいると安心できて、心強くなれるものです。
つわりで気持ち悪くて起き上がれない、でも旦那さんが近くにいてくれる…これだけで、精神的にも肉体的にも安らげます。
普段一緒にいると、どうしても扱いがぞんざいになってしまう時があるはず。
しかし、常に相手への気遣いを忘れない、労う、これが一番夫婦生活に大切なことです。
つわりを甘く見るなかれ!つらい時は母体第一!
冒頭で紹介したように、私の職場の先輩はつわりで亡くなりました。
しかし本人もご家族の方も、まさかつわりで亡くなるなんて、思いもしなかったのではないでしょうか。
つわりで亡くなる、つわりを甘く見てはいけない、この記事を通して一人でも多くのお父さん、お母さんに知ってもらいたいです。
最近はネットの記事で妊娠中の体験談を気軽に読めますよね。
しかし、皆さん道中がどんなに大変で苦しくても、最後は無事に出産しているので、男性側から見ると「途中大変でも、どうせ大丈夫でしょ?」と危機感が持てないものです。
「つわりなんて気のせい」「妊娠は病気じゃない」こんな風に言われたら「私の知り合いが、つわりで亡くなったんです。妊娠を甘く見ない方が良いと思っています。」とキッパリ言って、自分第一にしてくださいね。